スペースシフトとJX通信社、衛星データとSNS解析技術の融合で総合インテリジェンスシステムを開発
衛星データと地上データを組み合わせ、解析精度を飛躍的に向上
報道ベンチャーの株式会社JX通信社(本社:東京都千代田区、代表取締役 米重 克洋)と衛星データ解析システムの開発を手がける株式会社スペースシフト(本社:東京都港区、代表取締役 金本成生)は、衛星データとSNS情報の解析技術を融合させた「総合インテリジェンスシステム」を共同開発することに合意しました。
◎世界中の事象を衛星と地上データを組み合わせAIで自動解析
地球観測衛星によって得られるデータの利用が急速に拡大する中、得られる情報は未だ更新頻度の低さや、解像度の限界から、その精度は限定的なものとなっています。一方、TwitterなどのSNSには災害や事件が発生した際に、大量の情報が目撃者や当事者から画像や映像を伴って投稿され、AI等の活用により、それらの投稿から情報を自動抽出する技術も向上してきました。
そこで、スペースシフトの持つ、衛星データのAIによる自動解析技術と、JX通信社が開発するSNSの投稿内容からAIを用いて自動解析する技術を組み合わせることで広範囲にデータ取得が可能な衛星データと、情報の更新頻度や、精度の点で扱いやすいSNSの解析データの特徴を活かし、世界中のあらゆる事象を広範囲に精度高く自動解析するシステム「総合インテリジェンスシステム」の開発を行うこととしました。
JX通信社が提供する情報プラットフォーム「FASTALERT」は、AIでSNSから災害・事故・事件などのリスク情報を収集・解析し、公的機関や企業の危機管理部署、すべての民放キー局やNHK、新聞社を始めとする多くの報道機関で採用されているサービスです。
◎衛星データによる水災などの解析結果をSNSの投稿内容から精度を向上
たとえば、近年増加する異常気象に伴う台風などの水災が発生した際、衛星データを活用して、浸水域や浸水の深さなどの被害状況を解析し、政府や自治体、保険会社などが活用する事例が増えています。
しかしながら、衛星データでは取得できる地上の解像度に限界があり、特に都市部では、個別の住宅それぞれの浸水被害状況を把握することは困難です。
それに対し、SNSの解析では投稿に含まれる画像や位置情報から、特定の地点での浸水状況をより詳しく分析することが可能ですが、多くの地点に関する情報は得られません。
この度開発するシステムでは、衛星データの解析情報をSNSの解析データを元に補完することで、限られた地点の高精度なデータを広範囲に適用することを可能にし、水災などの被害範囲を広範囲に高精度に推定することを可能にします。
災害だけでなく昨今世界的な被害をもたらしているコロナウイルスなど、世界に大きな影響を与えうる事象に対し同様な処理を適用し、地球規模で衛星データを用いて起きている変化を自動解析し、その変化の実態をSNSの情報を元にして高精度に補完する技術を開発してまいります。
FASTALERT(ファストアラート)について
「FASTALERT」は、AI(人工知能)がSNSから災害、事故、事件などのリスク情報を収集し配信するWebサービスです。
2016年9月のリリース後7ヶ月で、全ての⺠放キー局とNHKで採用。各局ニュース番組における「視聴者提供」動画定着の原動力になりました。2018年の日本新聞協会 技術開発奨励賞を受賞。
現在はSNS緊急情報サービスでシェアNo.1の業界標準として全国の大半のテレビ局や新聞社に採用されているほか、警察、消防、自治体、一般企業でも幅広く導入実績があります。
FASTALERT内の「新型肺炎」特設ページでは、感染事例報告施設マップをPCからご覧いただけます。
FASTALERTのサービス詳細についてはこちら: https://fastalert.jp/