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防災・減災・BCP

深刻な被害をもたらす土砂災害リスクと被害を軽減するために実施するべき企業の土砂災害対策6選

降水量の多い日本では、土砂災害によって深刻な被害が毎年のように発生していますが、具体的にどのような土砂災害対策を実施すれば良いのか分からない方もいるでしょう。

そんな方のために本記事では土砂災害の概要や発生しやすい場所、適切な土砂災害対策などを説明していきます。この記事を読むことで土砂災害対策を実施する上でのヒントが分かるので、ぜひ参考にしてください。

日本で発生しやすい土砂災害

日本は傾斜が急な山が多い国土環境であり、台風や豪雨などで多くの土砂災害が発生しています。「令和元年の土砂災害」によれば、2009年〜2019年までの直近10年間では平均1,382件の土砂災害が発生しているのです。

土砂災害によって人家などの壊滅や生き埋めなど深刻な被害が確認されており、例えば広島大学防災・減災研究センター長である土田孝氏が発表する『西日本豪雨災害における広島県の被害についてー「相乗型豪雨災害」とその特徴ー』によれば、西日本豪雨では道路・水道・路線などのインフラに土石流が流れ込んだことで、路盤の流出や断水など深刻な被害を受けました。

国土交通省や自治体は、土砂災害による被害を少しでも低減するために砂防施設や警戒避難体制の整備など様々な対策を行なっていますが、土砂災害に巻き込まれないように企業の場合も事前に土砂災害対策を実施しておくことが重要です。

主な3種類の土砂災害と発生する前兆

次に主な土砂災害の種類を説明していきます。避難をするためには重要な内容となるので、ぜひ参考にしてください。

がけ崩れ

がけ崩れとは、豪雨や地震などが原因となって地盤が緩み、斜面が崩れる現象のことです。斜面が崩れるスピードが早く、逃げ遅れで多くの死者が発生する傾向があります。

がけ崩れには、以下の前兆があり、発生が想定された段階ですみやかに避難する必要があります。

  • 地鳴りがする
  • がけにひび割れができる
  • 湧き水が止まったり、濁ったりする など

土石流

土石流とは、豪雨によって山腹や土砂などが下流へ一気に押し出される現象のことであり、時速20〜40kmの速度で一瞬で人家などに深刻な被害を与えます。以下のような前兆が確認された場合、土石流が発生するおそれがあるので直ちに避難しましょう。

  • 山鳴りがする
  • 川の水が濁り、流木が混ざる
  • 雨が振り続けているのにも関わらず、河川の水位が下がった など

地すべり

地すべりとは、地下水の水位が上がったことで斜面の一部または全てが斜面下方にゆっくりと移動する現象のことです。土塊の量が大きく、広範囲に移動し、人家などに甚大な被害を与えます。以下の前兆が確認された場合は地すべりが発生するおそれがあります。

  • 地鳴りや山鳴りがする
  • 地面にひび割れや陥没が起きている
  • 樹木が傾いている など

土砂災害が発生するおそれがある場所とタイミング

日本では集中豪雨や局地的大雨が多く確認されていますが、土壌に雨が多く浸み込むと土砂災害が発生するおそれがあります。また土砂災害が発生しやすい場所は、以下の4箇所があり、豪雨が発生した場合は十分に注意しましょう。

  • 扇状地
  • 造成地
  • 山岳地帯
  • 急傾斜地

国土交通省の「土砂災害のリスク情報の見える化に向けて前進! ~土砂災害警戒区域に関する基礎調査の実施目標を達成~」で説明されているとおり、土砂災害が発生するおそれのある区域は、日本全国で約67万件にものぼるため、きちんと事前に対策をしておくことが大切です。

企業の効果的な土砂災害対策6選

では土砂災害から身を守るためにどのような対策を行えば良いのでしょうか。この章では企業における適切な土砂災害対策を説明していくので、ぜひ読み進めてください。

ハザードマップでリスクのある場所を把握する

まずは国土交通省や自治体が提供するハザードマップでオフィスや従業員の自宅が土砂災害警戒区域・土砂災害危険箇所に指定されていないかどうかを把握し、安全な避難経路と避難場所を確認しましょう。

ハザードマップとは過去の災害履歴に基づいて災害の発生状況やその範囲を予測し、安全な避難経路・避難場所を記載した地図のことです。ハザードマップは土砂災害以外にも水害や地震など自然災害の種類別に用意されていますが、予測に過ぎないので、場合によっては大規模な災害で安全とされていた避難場所・避難経路も被災してしまうおそれがあります。

そのため、ハザードマップはあくまでも1つの目安と考えた上で複数の避難場所・避難経路を選んでおくと良いでしょう。

防災情報を確認する

豪雨が発生した場合は、土砂災害警戒情報や土砂災害警戒判定メッシュ情報に注意しましょう。土砂災害警戒情報とは、土砂災害の危険性がある場合に気象台と各都道府県が連携して発表される防災情報のことです。土砂災害警戒情報は、警戒レベル4相当情報であり、安全を確保するためにすみやかに安全な場所へ避難しましょう。

土砂災害警戒判定メッシュ情報とは、土壌雨量指数や雨の状況に基づいて5km四方のメッシュごとに2時間先までの土砂災害の危険性を5段階で示した情報のことで、地域ごとの土砂災害の危険性が分かります。

避難方法を明確にしておく

土砂災害や水害発生時の避難方法には、水平避難と垂直避難の2種類があります。それぞれの意味は、以下のとおりです。

【水平避難】
今いる場所から安全な場所へ避難する方法

【垂直避難】
今いる自宅やオフィスのなるべく高層階へ避難する方法

基本的には水平避難を選びますが、すでに災害は発生しており屋外が危険な状態の場合は、垂直避難を選択します。

屋外が危険な状態にも関わらず、無理に水平避難を選んだ場合は災害に巻き込まれてしまうおそれがあるため、安全に避難できるようにどのようなタイミングで水平避難から垂直避難へ切り替えるのかをよく考えておきましょう。

BCP・防災マニュアルを策定する

土砂災害発生時にすみやかに対応できるようにBCP・防災マニュアルを策定しておきましょう。BCPとは、災害や事故など企業のリスク発生時に事業の継続または早期復旧を図るための計画のことです。

BCP・防災マニュアルには、リスク発生時の対応を明確に定めておきますが、策定していないままリスクが発生すると混乱が生じ適切な判断ができず、事業の早期復旧が図れないばかりか、対応が遅れることでさらに被害が拡大してしまうおそれがあります。

詳しくBCP・防災マニュアルを知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

コロナ禍でBCPが重視される理由と策定する上でのポイント
防災マニュアルの効果的な作り方と防災に必要な2つの対策

防災グッズを確保する

災害発生時に安全に避難生活を送れるようにあらかじめ防災グッズを確保しておきましょう。一般的に電気・ガス・水道のライフラインや人命救助が落ち着くまでに3日程度かかると言われていますが、大規模な災害によって避難が長引く場合に備えて3日分を必要最低限とし、余裕をもって1週間分の防災グッズを確保しておくことが大切です。

企業の場合は、従業員の安全を確保するために以下の東京都帰宅困難者対策条例条例17号などで防災グッズの確保が求められています。

【東京都帰宅困難者対策条例条例17号】
事業者に従業者の一斉帰宅の抑制と従業者の3日分の食糧等の備蓄についての努力義務を課します

努力義務と記載されているとおり、現時点ではこの条例に違反したとしても罰則を受けることはありませんが、企業には労働契約法第5条で従業員に対する安全配慮義務が課せられているため、防災グッズを確保しなかったことが原因で従業員が被害を受けてしまった場合は損賠賠償金を支払わなくてはなりません。

【労働契約法第5条】
使用者は、労働契約に伴い、労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮をするものとする

そのため、従業員の安全を確保するために可能な限り多くの防災グッズを備蓄しておきましょう。

あらかじめ災害保険に加入する

災害による損失を少しでも防ぐために事前に災害保険に加入しておきましょう。災害保険には火災保険や地震保険など様々な種類がありますが、企業財産包括保険への加入を最も推奨します。

企業財産包括保険とは、建物や動産だけでなく発生した企業の様々なリスクによる損失を補償する保険のことで、企業財産包括保険では事業の復旧にかかる費用や休業で得られなかった利益なども補償しているのが特徴です。

企業の損失を低減させるために役立つ企業財産包括保険ですが、地震や噴火、それに伴う津波は対象外になるので、併せて火災保険・地震保険にも加入しておくと良いでしょう。

リスク情報の収集をサポートする「FASTALERT」

自然災害や事故などのリスクから事業を守るためには平時からきちんとリスク情報を収集しておく必要があります。万が一、リスクの検知が遅れてしまうと初動対応の開始が遅くなるばかりか、それによって被害が拡大するおそれがあるので、正確なリスク情報をすみやかに把握することが大切です。

しかし事業を守るために多くのリスクを知れば知ろうとするほど、それに比例して人的・時間的コストがかかりますし、どうしても人の目だけでは限界があるため、リスク情報の取り漏らしが発生してしまいます。

そこで近年は人的・時間的コストをかけずに様々なリスク情報を迅速に収集するために企業や自治体でFASTALERTなどのAI緊急情報サービスが導入されています。

すでに全ての民放キー局や大手報道機関、一般企業、自治体で幅広く導入されているFASTALERTは次の3つのメリットがあり、的確な初動対応を迅速に開始することができます。

【FASTALERTの3つのできる】
・災害などのリスク情報がAIによってほぼリアルタイムで検知できる
・報道ではカバーしきれない地域などの細かい情報も入手できる
・現地に行かなくてもテキスト、映像、写真で状況が把握できる

迅速なリスク情報の収集は事業の被害を抑えるための初動対応を開始する上では必要不可欠なので、リスク情報の収集をスムーズに行いたいとお考えのご担当者さまは、ぜひFASTALERT基本紹介資料から資料をご覧ください。

【サービス資料で分かる3つの内容】
・これまでFASTALERTが検知した主なリスク情報一覧
・業種ごとのFASTALERTの活用シーン
・現在ご利用いただいている企業さまのレビュー

FASTALERTは、企業・自治体のお客様専用のサービスとなります。
※ソーシャルリスクレポートなどその他の資料は、こちらの資料ダウンロードからご覧ください。

最後に

降水量が高く、傾斜が急な山が多い日本では土砂災害が発生しやすい傾向にあるため、国土交通省や自治体が様々な対策を行なっていますが、企業側でも従業員の安全を確保するためにきちんと土砂災害対策を実施することが大切です。

がけ崩れなど土砂災害の種類によっては発生すると避難が間に合わない場合もあるため、きちんと土砂災害警戒情報や土砂災害警戒判定メッシュ情報などの防災情報や前兆を把握した段階で安全に避難しましょう。

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