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防災・減災・BCP

23万超の死者も想定される南海トラフ地震の恐ろしさと被害を最小限に抑えるために今すぐ実施するべき企業の「備え」

南海トラフ地震の発生が長年危惧されており、被害を最小限に抑えるべく日本政府などが様々な対策を推進しています。

しかし中にはどのように対策をすれば良いのか困っている企業の防災担当者もいるのではないでしょうか。

この記事では企業の防災担当者のために南海トラフ地震の概要や大災害を想定した主な防災対策などを説明していきます。

この記事を読むことで南海トラフ地震を想定した防災対策の理解が深まるので、ぜひ参考にしてください。

甚大な被害が想定されている南海トラフ地震

以前から様々な専門家たちの間で南海トラフ地震の発生が危惧されています。

まずは南海トラフ地震を正確には把握していないという方のために南海トラフ地震を説明すると、駿河湾から日向灘沖までのフィリピン海プレートとユーラシアプレートが接する海底にある溝状の地形を南海トラフと言います。

この南海トラフ沿いにある海側のフィリピン海プレートが陸側のユーラシアプレートに年間数cmの速度で沈み込んでおり、このひずみが限界に達することによって南海トラフ地震が発生するのです。

いつ発生するおそれがあるのか

南海トラフ地震は過去に100〜200年の間隔で発生しています。

直近では南海トラフを起因とする昭和東南海地震(1944年)・昭和南海地震(1946年)が発生していますが、その発生からすでに70年以上が経過しており、次の南海トラフ地震の発生が危惧されているのです。

日本政府の地震調査研究推進本部が発表する「南海トラフで発生する地震」によれば、今後30年以内にマグニチュード8〜9の巨大地震が70%〜80%の確率で発生すると予測されています

23万超の死者数が予想される南海トラフ地震の被害

では万が一、南海トラフ地震が発生するとどのような被害が発生すると考えられているのでしょうか。

内閣府の「 南海トラフ地震防災対策推進基本計画フォローアップ結果(概要)」でも説明されているとおり、もし南海トラフ地震が発生した場合は大規模な地震や津波などによって茨城県から沖縄県までの全長2,000km以上の広い範囲で壊滅的な被害を受け、23.1万人の死者・行方不明者や209.4万棟の全壊焼失が発生すると試算されています。

この南海トラフ地震によって被害を受ける地域は数多く、気象庁が発表する「南海トラフ地震で想定される震度や津波の高さ」によれば、具体的には以下のような自然災害が発生すると想定されているのです。

  • 静岡県から宮崎県にかけて一部の地域で震度7の地震が発生するおそれがある
  • 周辺の地域で震度6強から6弱の強い揺れ
  • 関東地方から九州地方の太平洋沿岸沿いの広範囲にわたる地域で10m超の大津波

十分に対策すれば、被害を軽減できる

専門家によればこの死者の発生などの被害は対策によって軽減できるとされています。

実際に2012年の段階では南海トラフ地震によって32万3000人の死者・行方不明者数が発生すると予測されていましたが、現時点では死者・行方不明者数が23.1万人と下方修正されました。

朝日新聞の「死者想定、23万人に減 避難意識など向上 南海トラフ地震」でも説明されているとおり、想定死者・行方不明者が現象した要因としては津波避難に関する意識向上や建物の耐震工事、感震ブレーカーの普及などがあげられています。

一人ひとりの対策が重要

日本政府は10年間で8割の死者数を減少させることを目的に引き続き、ハード・ソフト面で様々な対策を推進しています。

南海トラフ地震による被害を最小限に抑えるためには私たち一人ひとりが普段から防災対策をきちんと導入しておくことが重要です。

日本政府によって自治体や企業などに向けて南海トラフ地震の発生が高まった場合の対応を記載した「南海トラフ地震の多様な発生形態に備えた防災対応検討ガイドライン」を発表しているため、対応を考える際は参考にすると良いでしょう。

南海トラフ地震に備えたい!企業における大災害を想定した防災対策4選

では南海トラフ地震による被害を可能な限り抑えるためには、事前にどのような対策を実施しておけば良いのでしょうか。この章では南海トラフ地震に備えて導入しておきたい防災対策を説明していくので、特にどのような防災対策を導入するべきなのか悩んでいる担当者はぜひ参考にしてください。

BCPや防災マニュアルを策定しておく

自然災害など万が一の事態が発生した場合に自社への被害を最小限に留めるためには自社の災害発生時の脆弱性を理解し、きちんと対処しておくことが重要です。まずはBCPや防災マニュアルを事前に策定しておきましょう。

BCP(事業継続計画)とは、自然災害や事故などのリスクが発生した場合に事業の継続または早期復旧を図るための計画のことです。BCPや防災マニュアルには、災害発生時に事業と従業員を守るための対応を明確に定めておきますが、万が一、BCPや防災マニュアルが策定されていないまま、地震などの自然災害に巻き込まれてしまった場合は、混乱が生じて適切な対応ができないことでさらなる被害の拡大へつながるおそれがあるため、策定しておくと良いでしょう。

またBCPや防災マニュアルは今あるヒト・カネ・モノの経営資源に基づいて対応が定められている傾向がありますが、特に南海トラフ地震などの大規模な災害であった場合は想定以上にリソースが不足するリスクがあるため、最悪の状況を想定した対応を定めておくことが望ましいです。

ここでは簡易的な紹介となりましたが、詳しくBCPを知りたい方は以下の記事をご覧ください。

コロナ禍でBCPが重視される理由と策定する上でのポイント

安全な避難生活を送るために防災グッズを確保しておく

南海トラフ地震など大規模な災害が発生した場合は、避難生活が長期に及ぶ可能性があるため、安全に従業員が過ごせるようにあらかじめ防災グッズを用意しておきましょう。

一般的に電気・水道・ガスなどライフラインの復旧や人命救助が落ち着くまでに3日程度かかるとされていますが、南海トラフ地震が発生すると広範囲にわたる被災によって復旧が想像以上に長引くことが予想されるので、筆者としては安全に避難生活を送るためにも1週間分以上の防災グッズを事前に備蓄しておくことを推奨しています。

企業の場合は、東日本大震災で約515万人の帰宅困難者が発生し、様々なトラブルへ繋がったことがきっかけとなって東京都帰宅困難者対策条例条例17号などで防災グッズの確保が求められています。

【東京都帰宅困難者対策条例条例17号】
事業者に従業者の一斉帰宅の抑制と従業者の3日分の食糧等の備蓄についての努力義務を課します

努力義務とあるように現時点ではこの条例を破ったとしても特に罰則を受けることはありませんが、企業にはこの条例とは別に労働契約法第5条によって従業員に対する安全配慮義務が課せられているのです。

【労働契約法第5条】
使用者は、労働契約に伴い、労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮をするものとする

つまりコストを気にして一切の防災グッズを用意しなかったことが原因で従業員が被害を受けた場合、安全配慮義務違反として法的責任を問われ、損害賠償金を支払わなくてはならないので、従業員の安全を確保するためにも防災グッズを用意しておきましょう。

詳しく用意するべき防災グッズの種類などを知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

Withコロナで備蓄が不可欠な防災グッズの現状とその基本

耐震工事などオフィスに安全対策を施す

南海トラフ地震に備えて事前にオフィスに耐震工事を行なっておきましょう。建築基準法に基づく耐震基準には、現時点では旧耐震基準と新耐震基準があり、それぞれの意味は以下のとおりです。

【旧耐震基準】
1981年5月以前の耐震基準で、震度5強の地震で建物がほとんど損傷しないことが求められている

【新耐震基準】
1981年6月に定められた耐震基準で、震度5強の地震で建物がほとんど損傷しないことはもちろん、震度6〜7の地震で倒壊しないことが求められている

その後も耐震基準は度々、改正されていますが、前述したように南海トラフ地震では震度7の地震が発生することが想定されており、被害を最小限に抑えるためには新耐震基準を満たすことが重要です。万が一、今のオフィスが旧耐震基準であった場合は、リスクを減少させるために耐震工事を検討しましょう。

また災害発生時に避難や復旧などの防災対応をスムーズに行うためには、二次被害の発生を防ぐことが重要です。オフィス内で実施できる主な安全対策には、以下の種類があります。

【キャビネットなどを固定する】
下敷きになることを防ぐために、なるべく壁につけて突っ張り棒などで固定する。オフィスの中央に設置する場合は、安全のために腰までの高さのキャビネットを選ぶ

【PCやコピー機などのOA機器を固定する】
落下や転倒による負傷を防ぐために、ジェルマットやバンドなどで固定しておく

【窓などに飛散防止シートを貼る】
飛び散ったガラス片による負傷を防ぐために窓やガラス製のドアなどに飛散防止シートを貼っておきましょう。

詳しくオフィスで実施するべき安全対策を知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

オフィスが行うべき防災対策の基礎知識と災害別の対策方法

安否確認の手段を確保する

災害はいつどこで発生するのか分からず、場合によっては従業員が自宅や取引先で被災してしまうおそれがあるため、事前に安否確認の手段を確保しておきましょう。

この記事を読まれている防災担当者の中には電話やメールなどで十分だと考えている方もいるかもしれませんが、東日本大震災など過去の災害で度々、確認されているように災害発生後は安否確認で電話回線などが輻輳状態に陥ることで通信規制が実施され、一時的に利用できなくなるリスクがあるのです。

そのため、法人向けSNSの活用などインターネットブラウザでどのような場所でも利用できる安否確認サービスを導入しておきましょう。また安否確認サービスを操作する担当者を1人では万が一、担当者が被災した場合に迅速に安否確認できないおそれがあるため、別々の地域に住む複数人の担当者を選定しておくことが望ましいです。

地震をはじめとした自然災害などリスク情報の把握に役立つFASTALERT

自然災害などのリスクによる被害を最小限に抑えるためには迅速にリスク情報を把握しておく必要があり、万が一リスク情報の確認が遅れると初動対応の開始が遅くなるため、被害の拡大へつながるおそれがあります。

しかしリスクには自然災害だけでなくシステム障害、事故など多くのリスクがあり、被害を抑えるために多くのリスクを収集しようとすればするほど、人的・時間的コストがかかりますし、人の目ではどうしても必要なリスク情報の取り漏らしが発生してしまいます。

では、どのようにリスク情報をスムーズに収集していけば良いのでしょうか。近年、人的・時間的コストをかけずに様々なリスク情報を迅速に収集するために企業や自治体でFASTALERTなどのAI緊急情報サービスが導入されています。

BCPや防災対策などを目的としてすでに全ての民放キー局や大手報道機関、一般企業、自治体で幅広く導入されているFASTALERTは次の4つのメリットがあるため、迅速なリスク情報の収集と初動対応を開始することができるのです。

【FASTALERTの4つのできる】
・災害などのリスク情報がAIによってほぼリアルタイムで検知できる
・報道ではカバーしきれない地域などの細かい情報も入手できる
・1つのサービスで自然災害、事故、事件など幅広いリスクを調査できる
・現地に行かなくてもテキスト、映像、写真で状況が把握できる

迅速なリスク情報の収集は事業の被害を抑えるための初動対応を開始する上では必要不可欠なので、リスク情報の収集をスムーズに行いたいとお考えの担当者さまは、ぜひFASTALERT基本紹介資料から資料をお申し込みくださいませ。

【サービス資料で分かる3つの内容】
・これまでFASTALERTが検知した主なリスク情報一覧
・業種ごとのFASTALERTの活用シーン
・現在ご利用いただいている企業さまのレビュー

FASTALERTは、企業・自治体のお客様専用のサービスとなります。
※ソーシャルリスクレポートなどその他の資料は、こちらの資料ダウンロードからご覧ください。

最後に

近い将来、発生することが危惧されている南海トラフ地震。日本政府は被害を最小限に抑えるために様々な対策を推進しており、死者数を10年間で8割減少させることを目標としていますが、現時点では残念ながら約3割減であり、まだ目標に達していません。

南海トラフ地震による被害を最小限に抑えるためには、自治体や企業、住民たちが連携して適切な対策を実施していくことが必要不可欠です。南海トラフ地震が万が一、発生した場合に備えて今から可能な限りの防災対策を導入しましょう。

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