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防災・減災・BCP

警戒が必要な線状降水帯による水害リスクと企業における水害対策5選

西日本豪雨など近年は記録的な豪雨が土砂災害や氾濫など様々な災害を誘発させています。この豪雨の原因の多くが線状降水帯によるものだと調査の結果判明させていますが、線状降水帯がどのような現象かいまいち分からないという方も少なからずいるでしょう。

そんな方のために本記事では線状降水帯の概要と線状降水帯が確認された災害の事例、主な水害対策などを紹介していきます。この記事を読むことで線状降水帯の理解が深まるので、ぜひ参考にしてください。

深刻な水害を引き起こす線状降水帯

線状降水帯とは、線状に伸びた降水域のことです。通常の積乱雲は1時間程度で消滅するため、数時間にも及ぶ大雨が降ることはありませんが、線状降水帯の場合は連続的に積乱雲が発生(その規模は幅20〜50km・長さ100km以上)し続けることから豪雨やそれに伴う水害につながりやすくなります。すぐに線状降水帯が通過していく場合もありますが、数時間にもわたって停滞すると深刻な水害・土砂災害が発生するおそれがあります。

気象庁気象研究所の津口裕茂氏と加藤輝之氏が発表する「集中豪雨事例の客観的な抽出とその特性・特徴に関する統計解析」によれば、過去の集中豪雨を調べたところ、台風に伴う大雨を除いて261事例中168事例(3分の2)で線状降水帯が発生していたことが判明したようです。

主な水害の種類を知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

企業が水害対策を行うべき理由と効果的な5つの水害対策

線状降水帯が原因となった災害の事例

線状降水帯が原因となったと考えられる水害はどのような事例があるのでしょうか。この章では線状降水帯が原因となって発生した水害の事例を紹介していきます。

平成30年7月豪雨(西日本豪雨)

2018年6月28日から7月8日にかけて西日本を中心に全国的に発生した平成30年7月豪雨では、総雨量は四国地方で1,800ミリ、東海地方1,200ミリを超えるなど記録的な豪雨が発生しました。

土砂崩れや浸水、家屋倒壊などの深刻な被害が起き、200人を超える死者が発生しましたが、日本気象協会の『「平成30年7月豪雨」の気象解析(速報) ~線状降水帯の発生数は68回~』によれば、九州北部・近畿北部・山口県・広島県・岐阜県など広範囲にわたって68回の線状降水帯が発生していたことが判明したのです。

日経クロステックが発表する「5000カ所以上で山崩れ、尾根近くから崩壊も多数」でも語られているとおり、人的被害が最も多かった広島県ではあまり崩落することのない山の尾根付近も多数崩落しており、甚大な被害が発生しています。

令和2年7月豪雨

2020年7月3日から7月31日にかけて熊本や九州を中心に発生した令和2年7月豪雨。日本気象協会が発表する「(防災レポートVol.5)  令和2年7月豪雨における降水量の特徴(速報) ー 線状降水帯、異例の11時間以上継続 -」によれば、同年7月3日から7月11日に調査したところ、九州地方で13事例、筑後川の上流域で3事例の線状降水帯が確認されたようです。

球磨川流域には11時間という異例の長さで線状降水帯が停滞しており、球磨川はこれによって八代市や球磨村など13箇所が決壊・氾濫し、大規模な浸水が発生しました。

水害による被害を最小限に抑えるための対策5選

水害による被害を低減させるために事前に対策を実施しておくことが重要です。この章では、効果的な主な水害対策を説明していくので、ぜひ参考にしてください。

BCP・タイムラインを策定する

企業の場合は水害に備えて事前にBCP・タイムラインを作成しておきましょう。BCPとは災害や事故など企業を取り巻くリスクが発生した際にその被害を最小限に抑えて、事業の継続または早期復旧を図るための計画のことです。タイムライン(防災行動計画)とは、台風や水害などの災害発生状況を想定し、時系列に沿って防災行動を記載した地図を意味します。

このBCP・タイムラインにはあらかじめ災害発生時の行動を明確に定めておきますが、策定されていないまま災害が発生すると混乱が生じることで適切な判断ができずに迅速な事業の復旧が図れないばかりか、さらなる被害の拡大へつながるおそれがあるので注意しましょう。

詳しくBCPやタイムラインを知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

コロナ禍でBCPが重視される理由と策定する上でのポイント
タイムライン(防災行動計画)が災害対策として役立つ理由

ハザードマップを確認しておく

あらかじめハザードマップで水害などの発生状況を把握しておきましょう。ハザードマップとは過去に発生した災害履歴に基づいて災害の範囲・状況を予測し、安全な避難場所・避難経路を記載した地図のことです。

ハザードマップは地震や水害など自然災害の種類別に用意されており、国土交通省や自治体のHPで確認することができます。水害ハザードマップに関しては地域ごとの浸水深も記載されていますが、あくまでも予想であり、場合によっては安全とされていた避難場所・避難経路も被災してしまうおそれがあるのです。

そのため、災害発生時の状況を把握するための目安と考えた上で複数の避難経路・避難場所を選んでおきましょう。

防災グッズを確保しておく

水害発生時に備えて安全に避難できるように事前に防災グッズを確保しておきましょう。一般的に電気・ガス・水道などのライフラインの復旧や人命救助が落ち着くまでに3日程度かかると言われていますが、浸水によって避難生活が長引く場合も想定し、1週間分の防災グッズを用意しておくと安心です。

また企業の場合は従業員の安全を確保するために東京都帰宅困難者対策条例条例17号などで、帰宅困難者の一時的な帰宅の抑制と防災グッズの確保を求めています。

【東京都帰宅困難者対策条例条例17号】
事業者に従業者の一斉帰宅の抑制と従業者の3日分の食糧等の備蓄についての努力義務を課します

現時点では違反したとしてもこの条例に関する罰則を受けることはありませんが、企業には労働契約法第5条で従業員に対する安全配慮義務が課せられています。

【労働契約法第5条】
使用者は、労働契約に伴い、労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮をするものとする

企業が一切の防災グッズを用意しなかったことが原因で従業員が被害を受けた場合、安全配慮義務違反として法的責任を問われ、損害賠償金を支払わなくてはなりません。そのため、従業員の安全を確保するために可能な限りの防災グッズを用意しておきましょう。

水害対策を実施する

企業の場合は水害による物理的な被害だけでなく、機械設備などの損傷による操業停止など深刻な被害へ陥るおそれがあるため、浸水などの水害に備えて事前に水害対策を実施しておきましょう。主な水害対策には次の内容があげられます。

  • 土のう・水のうでオフィスへの浸水を防ぐ
  • 機械設備・PCを高層階や安全な場所へ移動させる
  • データのバックアップをとっておく

また自社だけでなく仕入先が被災すると仕入れができずに顧客への納品が遅れてしまうおそれがあるため、顧客離れを防ぐために事前に複数の仕入先を確保しておくことが大切です。

リスク情報を収集する

水害に限りませんが、リスク発生時に迅速かつ的確な初動対応を行うためには普段からリスク情報を収集しておくことが大切です。リスク情報を収集する手段としては警戒レベルなどの防災情報やニュースなどがありますが、企業にはシステム障害や不祥事等の様々なリスクが取り巻いており、多くのリスク情報を知れば知ろうとするほど収集のための人的・時間的コストがかかりますし、人海戦術ではどうしても必要な情報の取り漏らしが発生してしまいます。

そこで近年は人的・時間的コストをかけずに様々なリスク情報を迅速に収集するために企業や自治体でFASTALERTなどのAI緊急情報サービスが導入されています。

すでに全ての民放キー局や大手報道機関、一般企業、自治体で幅広く導入されているFASTALERTは次の3つのメリットがあり、的確な初動対応を迅速に開始することができます。

【FASTALERTの3つのできる】
・災害などのリスク情報がAIによってほぼリアルタイムで検知できる
・報道ではカバーしきれない地域などの細かい情報も入手できる
・現地に行かなくてもテキスト、映像、写真で状況が把握できる

本サービスはBCP対策や防災に力を入れる上でも役立つので、興味をお持ちの担当者さまは、ぜひ本記事にある「サービス資料のダウンロードはこちらから」から資料をご覧ください。

【サービス資料で分かる3つの内容】
・これまでFASTALERTが検知した主なリスク情報一覧
・業種ごとのFASTALERTの活用シーン
・現在ご利用いただいている企業さまのレビュー

FASTALERTは、企業・自治体のお客様専用のサービスとなります。

最後に

ここまで説明したように線状降水帯が発生すると深刻な水害が起きるおそれがあります。

しかし、水害は発生から被災までのタイミングが予報や防災情報によってあらかじめ分かるという特徴があるため、豪雨やそれに伴う水害が発生することを把握した時点で水害対策を実施しましょう。

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FASTALERTでは、無料でサービスを体験できるデモ版をご提供しております。

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