JX通信社

防災・減災・BCP

居住地で起こる水害『内水氾濫』の場所をつきとめ、防災につなげる東北大学×JX通信社プロジェクト

このたびJX通信社は、弊社のAIリスク情報収集サービス「FASTALERT」を通じて東北大学災害科学国際研究所の佐藤翔輔准教授とマス・エリック准教授と共に豪雨に関するデータ分析を行い、水害の中でも対策が難しいとされる「内水氾濫」のデータを解析する共同プロジェクトを開始しました。
そこで、日本における水害について、東北大学災害科学国際研究所の佐藤翔輔准教授とマス・エリック准教授が分かりやすく解説を行います。

東北大学災害科学国際研究所 佐藤翔輔 准教授ご紹介

専門は災害情報、災害伝承。2011年京都大学情報学研究科博士後期課程修了,博士(情報学),日本学術振興会特別研究員(DC2),東北大学大学院工学研究科附属災害制御研究センター・助教,東北大学災害科学国際研究所・助教を経て,2017年11月から現職。2015年科学技術分野の文部科学大臣表彰 科学技術賞(振興部門),2014年・2019年地域安全学会年間優秀論文賞,2019年度同学会技術賞など多数受賞。

東北大学災害科学国際研究所 マス・エリック 准教授ご紹介

専門は災害に関する広域的な被害把握・予測。主な研究アプローチは津波数値計算,避難行動シミュレーション,マルチエージェントシミュレーション,リモートセンシング,地理空間情報処理,UAVなど多様。2005年からペルー・カヤオの公職。2009年に来日。
2012年東北大学大学院工学研究科土木工学専攻修了,博士(工学)。同年・東北大学災害科学国際研究所助教,2016年6月より現職 。

水害の種類は「外水氾濫」と「内水氾濫」の2種類あり、「内水氾濫」は対策が難しい

 日本は、とても水害が多い国です。水害には川の水が多くなって堤防を越えて水があふれたり(越水)、大量の水が流れる大きな力で堤防が壊れるたりすることで(決壊)、地域が浸水してしまう「外水氾濫」と、まちに降った雨の量が多くなって排水能力を超えて排水溝やマンホールから水があふれる「内水氾濫」の2種類があります。
皆さんのお住いの地域で大雨が降った後にマンホールから水が溢れてきたり、トイレから水が溢れたり、という光景を見たことはありませんか?それが「内水氾濫」です。昨今、「内水氾濫」が多く発生しています。

大規模な浸水になる「外水氾濫」は多く報道・調査され自治体によって対策が取られるのに対して「内水氾濫」については浸水しても跡が残らないことが多いため、しっかりと記録・対策ができているとは言い難い状況です。

内水氾濫を起こさないようにする取り組みは、地面の下に流せる・貯めることができる水の量を増やすこと(下水道、貯水タンクなどの整備)です。
しかし、平成28(2016)年度末時点の都市浸水対策達成率は約58%にとどまります。こういったハード整備には多額の費用と時間がかかり、昨今の地球温暖化にともなう雨量の増加に都市がたえきれなくなっているのです。

厄介なことに水は必ず同じ場所に戻ってくる特性があり、同程度の豪雨が起きると内水氾濫は何度も同じ場所で起こる可能性があります。

SNSから水害データを収集するに至った背景と経緯

 最近では、災害が起きると被害の状況を撮影した写真や映像がSNSにたくさん投稿されるようになってきました。
これは、リアルタイムで現場の状況を知ることができる情報であると同時に、しばらく経った後に「過去にこんなことが起きた」ことを知ることができる貴重な記録でもあります。

SNS上には、報道・調査されていないような内水氾濫の状況が多く投稿されています。
しかし、どの情報が正確な水害被害の情報なのか、フェイク情報ではないか、など課題がありSNS上からピンポイントに情報を収集することは技術的に難しいことでした。

そこでSNS上から災害・事故・事件などのリスク情報収集を行なっているJX通信社に依頼して、正確かつ網羅的に情報収集できるよう協力してもらいました。

水害被害の正確な場所を参加型で見つけ出す「みんなでSNSマッピングプロジェクト」

※内水氾濫している街中の様子です。 黒澤健一氏撮影(宮城県石巻市)/東北大学提供

 水害被害は広域にわたるため、撮影・投稿された写真・映像には「正確な位置情報」が付いていないものが多いのが実態です。
貴重な記録であるにも関わらず「ここで被害が起きた」の正確な「ここで」という情報が分からないものがたくさんあります。この貴重な記録を活用できるようになるためには、撮影された場所の「正確な位置情報」が必要不可欠です。

そこで私たちは、大雨・台風の主に浸水被害や土砂災害の状況について撮影しTwitterに投稿された写真・映像を地図上に参加型でマッピングするサイトを作成しました。

 上記のサイトには、投稿された写真・映像が「仮の場所」でマッピングされています。お住まいの地域などにマッピングされている写真・映像をご覧になっていただき、それが撮影された「正確な場所」を教えていただき、その情報をもとに修正を重ねていくとういう参加型で「みんなでマッピング」するのが本プロジェクトです。
なお本プロジェクトは、水害の地域を特定して分析する目的に加えて内水氾濫の記録をしっかりとアーカイブとして残すことも目標にしています。

最後に

日本は水害の多い地域です。貴重な記録・経験を後世に残すために、ぜひご協力いただければ幸いです。多くの皆様のご支援・ご協力よろしくお願いします。

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