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防災・減災・BCP

企業に帰宅困難者対策が求められる理由と効果的な対策5選

広範囲にわたる災害が起こると交通機関の麻痺によって帰宅困難者が発生するおそれがあります。

帰宅困難者が無理に帰宅しようとする二次災害によって負傷したり、救助の妨げになる場合があるため、政府が企業に帰宅困難者になった従業員の帰宅の抑制や対策を求めています。

しかし具体的にどのように帰宅困難者の対策を行えば良いのか分からず困っているという企業担当者の方もいるでしょう。

今回はそんな方のために帰宅困難者の基本と政府が企業に帰宅困難者の帰宅の抑制を求めている理由、効果的な帰宅困難者の対策などを解説していきます。

この記事を読むことで適切な帰宅困難者対策を企業に導入できるようになるので、ぜひ読み進めてください。

帰宅困難者とは

帰宅困難者(帰宅難民)とは、地震などの自然災害や事故によって鉄道などの交通機関が麻痺し、徒歩による帰宅が困難になった方のことです。

中央防災会議が発表する「帰宅困難者に係る用語の定義について」では、統計上の定義として帰宅困難者を以下のように定めています。

  • 帰宅までの距離が10km以内の人は全員「帰宅可能」とする
  • 帰宅距離10km〜20kmでは、被災者個人の運動能力の差から、1km長くなるごとに「帰宅可能」者が10%低減していくものとする
  • 帰宅距離20km以上の人は全員「帰宅困難」とする

災害発生直後に自宅の被害状況の確認や家族の安否確認という目的などで多くの帰宅困難者が帰ろうとしますが、群衆雪崩や二次災害で負傷したり、帰宅困難者が邪魔となり救急車が通れないなど救助活動の妨げになるおそれがあります。

群衆雪崩(将棋倒し)とは、混雑した状況で1人以上が転倒したことで連鎖的に周りの方が転倒していく事故です。

群衆の中では受け身を取ることが難しく、周囲の方に圧迫されてしまうため、最悪は亡くなるおそれがあります。

実際に2011年に発生した東日本大震災では、鉄道の全面運休や高速道路の閉鎖などが原因で東京都や神奈川県などの首都圏で約515万人の帰宅困難者が発生。

幹線道路は自宅に帰ろうとする人々で溢れかえり、緊急車両がスムーズに通行できないなど救助活動の妨げになる事態が多数発生しました。

また「帰宅困難者に係る用語の定義について」では、首都直下地震が発生した場合、東日本大震災を超える650万人以上の帰宅困難者が発生すると考えられており、帰宅困難者が全員が帰宅しようとすると歩道がラッシュアワーの満員電車並みの混雑状況になるようです。

被害の拡大を防ぐためにきちんと対策を立てておきましょう。

企業には帰宅困難者の帰宅の抑制が求められている

災害発生後は安全確認が取れるまで3日程度、安全なオフィス内に留まるように政府が企業に対して帰宅困難者になった従業員の帰宅の抑制や対策などを条例によって推奨しています。

従業員の3日間の帰宅の抑制が求められている大きな理由としては、人命救助ではタイムリミットである3日間が72時間の壁として重視されているからです。

国土交通省近畿地方整備局が阪神・淡路大震災の死因と生存率のデータをまとめた「死者を減らすために」では、震災当日の1月17日の生存率は75%でしたが、2日目は24%、3日目が15%、4日目では5%と生存率が3日目を境に大幅に減少しています。

これらのデータや人間が水を飲まずにいられる限界が72時間だという根拠をもとに救助隊は72時間を重視しており、安全に救助できる72時間以内の救助を目指しています。

しかし帰宅困難者の帰宅を抑制しなかったばかりに歩道が大勢の帰宅困難者で溢れてしまうと救助活動の妨げとなって、迅速な救助ができず助かる命も助からなくなってしまうおそれがあるのです。

また災害が発生したばかりでまだ安全の確認が取れていないうちに帰宅を始めると二次災害で負傷したり、群衆雪崩で最悪は命を落としてしまう場合があります。

つまり帰宅困難者が帰宅を始めると被害者にも加害者にもなり得るため、政府では帰宅困難者の帰宅の抑制と滞在に必要な防災グッズなどの備蓄を条例によって企業に求めているのです。

帰宅困難者の帰宅を抑制する条例は、東京都や大阪府などの都道府県で実施されており、例えば東日本大震災で大勢の帰宅困難者が発生したことを機に内閣府が発表した「東京都帰宅困難者対策条例」の条例第17号では、企業に対して以下のように定めています。

『事業者に従業者の一斉帰宅の抑制と従業者の3日分の食糧等の備蓄についての努力義務を課します』

対象となるのは正規・非正規を問わずに同じ事業所内で働く全従業員であり、全従業員分の防災グッズを確保しておくことが理想的です。

ここでいう努力義務とは「〜するよう努めなければならない」という意味合いであり、違反したからといって上記の条例に関する罰則を受けることはありません。

ただし、企業には労働契約法の第5条によって従業員に対して以下のように安全配慮義務が課せられています。

『使用者は、労働契約に伴い、労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮をするものとする』

コストが惜しいからと一切防災グッズを用意しないなど従業員への安全配慮義務を怠ったことが原因で従業員が被害を受けた場合、安全配慮義務違反として法的責任を問われ、従業員に損害賠償を支払わなければなりません。

そのため、できうる限りの防災グッズを用意しておきましょう。

帰宅困難者を支援する2つの施設

地震などの災害はいつ発生するのか分からず、退社後や出先など事業所にいない時に災害が発生して行き場のない帰宅困難者になるおそれもあります。

そんな方のために政府は帰宅困難者を支援する一時滞在施設や災害時帰宅支援ステーションの導入を増やしています。一時滞在施設と災害時帰宅支援ステーションの違いは、それぞれ以下のとおりです。

【一時滞在施設】
帰宅困難者が一時的に滞在できる施設で、3日前後の滞在を想定して食料やトイレなどの支援を行なっています。
災害時に対象となる図書館や市民ホール、学校などが一時滞在施設として利用できます。

【災害時帰宅支援ステーション】
帰宅を行う帰宅困難者を支援するための施設で、水やトイレ、道路などの情報を提供しています。
地域に指定されたコンビニエンスストアやファミリーレストラン、ガソリンスタンドなどが対象となっています。

上記のようにそれぞれ役割が異なり、しばらくの間、帰宅できない距離であれば一時滞在施設へ、帰宅途中に立ち寄るなら災害時帰宅支援ステーションに向かうと良いでしょう。

ただし、どちらの施設の場合も施設の被害が深刻だと利用できないので、事前に確認しておくと安心です。

企業が導入しておきたい帰宅困難者対策5選

次に効果的な帰宅困難者対策を紹介していきます。

どれも帰宅困難者によるトラブルを防ぐ上で大切な内容となりますので、ぜひ読み飛ばさずに参考にしてください。

防災グッズを備蓄しておく

帰宅困難者になった従業員の帰宅を抑制するために事前に防災グッズなどを事業所で確保しておきましょう。

一般的に水道・ガス・電気などのライフラインの復旧や災害発生時の救助活動が落ち着くまでに3日程度かかると言われているため、3日分を必要最低限とし余裕を持って1週間分の防災グッズを準備しておきましょう。

また事業所の従業員だけでなく、取引先の顧客などの来客が帰宅困難者になる場合があります。そのため、自社の従業員と同様に滞在できるよう来客のために防災グッズを余分に確保しておくと良いでしょう。

前述しましたが、防災グッズの備蓄を一切しないなど従業員の安全配慮義務を怠ったことで従業員が被害を受けた場合は、従業員に損害賠償を支払わなくてはなりません。

そのため、全従業員分とまではいかなくとも、なるべく防災グッズを揃えておきましょう。

用意するべき防災グッズの種類や非常食を知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。

揃えておきたい防災グッズの基本と必要な防災グッズ18選

防災で準備するべき食品「非常食」のおさえておきたい基礎知識

事業所に防災対策を施しておく

従業員が帰宅困難者となった場合は数日間オフィスに滞在させるため、安全に過ごせるようにあらかじめオフィス内に防災対策を行なっておきましょう。

手軽で効果的な対策には主に以下の3つの方法があります。

【キャビネットなどを固定する】
キャビネットなどの家具はなるべく壁につけ、突っ張り棒やL字金具で固定する

【PCやコピー機などのOA機器を固定する】
PCやコピー機などの落下や転倒で負傷するおそれがあるため、ジェルマットやバンドで固定する

【レイアウトを工夫する】
迅速に避難できるよう出入口や避難経路付近に物を置かない。またオフィスの中央など壁から離れた場所に家具を選ぶ場合は、腰までの高さの家具にする

また帰宅困難者は家族や自宅の状況を確かめる目的で帰宅しようとする方が多いです。

そのため、従業員に事業所だけでなく自宅などでも普段から防災対策を施しておくように伝えておくと従業員の不安を軽減できるはずです。

BCPや防災マニュアルを策定する

帰宅困難者の発生に備えて、あらかじめBCPや防災マニュアルを策定し、対応を定めておきましょう。

BCPとは災害や事故など企業のリスク発生時に事業の継続または早期復旧を図る計画のことです。

このBCPを策定していないままリスクが発生してしまうと冷静な判断が行えないことで適切な対応ができず、迅速な事業の復旧が難しくなってしまいます。

社内で帰宅困難者が発生するほどの災害が起きた場合は、事業所自体には被害がなくてもサプライチェーンなどに悪影響を及ぼす可能性が高いため、事前にBCPや防災マニュアルを作成しておきましょう。

BCP・防災マニュアルには、帰宅困難者が発生した場合の対応を具体的に記載し、定期的に訓練・教育を行います。

また訓練終了後に作成したBCP・防災マニュアルの問題点を洗い出し、改善していけばより完成度の高いマニュアルに近づいていくはずです。

より詳しくBCPや防災マニュアルを知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

BCPの基礎知識と導入するべき理由を分かりやすく解説

防災マニュアルの効果的な作り方と防災に必要な2つの対策

従業員や家族に安否確認を行う

事業所付近で従業員が帰宅困難者になるとは限らず、取引先などの出先で帰宅困難者になるおそれがあるため、安否確認で従業員の状況を把握しましょう。

企業によっては安否確認をメールや電話で行なっている場合もありますが、2011年に発生した東日本大震災ではメールと電話が輻輳状態に陥り、一時的に機能しなかったため、安否確認サービスを導入しておくときちんと安否確認をとれるはずです。

また安否確認サービスを事業所のみで操作できるようにしてしまうと災害に巻き込まれた場合に迅速に安否確認ができないおそれがあります。

そのため、どのような場所であっても安否確認ができるように複数の端末を用意したり、インターネットで使える安否確認サービスを導入すると良いでしょう。

さらに従業員に対してもSNSなど家族との安否確認の手段を用意するように周知しておくと無理に帰宅しようとする従業員が減るはずです。

もっと詳しく安否確認を知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。

BCPで安否確認が最重要な理由とその基礎知識

情報収集で状況を確認する

帰宅困難者となった従業員は、安全の確認がとれるまで事業所や取引先、一時避難施設などで待機しなくてはなりません。

待機期間は通常であれば3日前後ですが、被害が深刻になるとそれ以上の日数を待機しなければならず、企業が災害による被害状況を確認し、安全であれば従業員に帰宅指示を出します。

被害状況を確認する手段はテレビなど多種多様ですが、近年は以下3つのメリットがあるSNSが個人間だけでなく報道機関や自治体で活用されています。

  • 今、起きた出来事をリアルタイムで知れる
  • 報道機関ではカバーできない細かい情報を把握できる
  • 災害時でもインターネットが繋がれば使える

ただしSNSは災害発生時に悪質なデマや誤った情報も拡散されやすいという決して無視できない大きな問題を抱えており、人海戦術でSNSの情報を調査しようとすると正確な情報かどうかを判断するのが非常に難しく、どうしても取り漏らしが発生してしまうのです。

報道機関や自治体などの企業はSNSを情報収集の手段として活用しながら、この問題を解決するためにFASTALERTなどのSNS緊急情報サービスを導入する動きが広まっています。

FASTALERTなどのSNS緊急情報サービスは、AIが自動的にSNSの情報を収集・分析し、デマ情報を排除して正確な情報のみを提供しており、SNSの情報を収集する上では欠かせないサービスとなっています。

災害時は正確で迅速な情報収集が重要になるので、情報収集を手助けしてくれるSNS情報サービスの導入を検討すると良いでしょう。

まとめ

今回は帰宅困難者の基礎知識と企業に帰宅困難者の抑制が求められている理由、具体的な対策などを紹介しました。本記事の重要なポイントには、次の3点があげられます。

  • 帰宅困難者が帰宅を始めると二次災害による負傷や人命救助の妨げになるおそれがある
  • 政府が条例によって企業に一定期間、帰宅困難者の帰宅の抑制を求めている
  • 防災対策や安否確認の手段の確保を事業所だけではなく、従業員の自宅などにも導入するよう伝える

この記事を参考に帰宅困難者が発生した場合に備えて、きちんと対策を立てて起きましょう。

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